安倍戦争法案は、米NSAによる第一次安倍政権などへの大掛かりな盗聴によって組み立てられたようだナ。
Wikileaksや伊・エスプレッソ紙が報じたところによれば、アメリカ国家安全保障局(NSA)は、日本の内閣や各省庁、三菱など大企業を盗聴していたことが明らかになった。

第一次安倍政権などがターゲット

Wikileaksのプレスリリースによれば、盗聴対象となったリストには2006年9月26日に発足して2007年8月27日まで続いた第一次安倍政権や、三菱の天然ガス部門や三井の石油部門といった日本の大企業、宮沢洋一経済産業大臣などの政府関係者、そして日本銀行などが含まれている。
Wikileaksによれば、アメリカは日本の貿易摩擦や技術開発計画、気候変動政策、原子力やエネルギー政策などに関心を持ち、盗聴を計画。日本側は、こうした政策に関する情報をどこまでアメリカに共有するべきか懸念を持っていたが、実際にはアメリカ政府は、多くのことを知っていたようだ。

ファイブ・アイズにも共有

またこれらの盗聴内容は、米国から英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドにも情報共有されていた。これら5カ国の結ぶUKUSA協定「ファイブ・アイズ」と呼ばれ、加盟各国の諜報機関が傍受した盗聴内容や盗聴設備などが共有されている。
今回リークされた内容には、ドーハラウンドと呼ばれるWTO交渉に際しておこなわれた盗聴のレポートや、2007年にブッシュ米大統領と会談した上で示された、「安倍イニシアティブ」に関する盗聴レポートなども含まれている。
他にも、環太平洋パートナーシップ(TPP)の交渉に際して、アメリカが日本の戦略を注視していたことなども示されており、日本の貿易・産業政策にアメリカが高い関心を持ち、盗聴対象としてことが伺える。

菅官房長官や日銀・黒田総裁もターゲットに

またオーストラリアのTHE SATURDAY PAPERは、盗聴リストに菅官房長官や日銀・黒田東彦総裁などの番号が含まれていたことも報じている。2009年のドーハラウンドで農林水産大臣を務めていた石破茂幹事長の動きにも、NSAは注目していたとされる。

民間企業も盗聴

また今回明らかになったのは、NSAが日本の政府関係者のみならず、民間企業もターゲットとしていた点だ。三菱グループの天然ガス部門は、中東・極東ロシア・インドネシア・アフリカなどの液体天然ガス開発プロジェクトに参加しており、三井物産の石油部門は、中東・東南アジア・北米・欧州など世界各国での資源開発に携わっているが、こうした企業の動向は、NSAの盗聴対象となっていた。
今月4日には米・ワシントンポスト紙が、外国情報活動監視裁判所(FISC)が2010年にNSAに対して許可した盗聴対象リストの中に、中国や北朝鮮、韓国、そして日本が含まれていたことを報じている。